簡単なようで簡単でないこと


ずばり、場の空気を楽しくすること。


これが自然に出来る人と致命的に出来ない人、又はしたいと思っているけれど苦手な人っているのかなと思います。


近くにいても遠く離れていてもエネルギーは届くものですが、そのエネルギーが温かいものか冷たいものかで相対する人との空間を楽しくしたりツマラナイものにしたりできてしまうのでしょう。


鮮やかな赤い色を見て何となく元気が出るような、見えないけれども確実にあるエネルギー。見えなくとも、無視はできません。


先日、ふと気がついて面白かった事があります。


その日は何だか自分の思い通りに行かない事があったり色々と考える事が沢山あり、心の中がほつれていました。そんな日もあります。でもそんな日に限ってどうしてもやらなければならない事があったりして、本当は家でじっとしていたいものを、なんだかんだで外で色んな用事をしていました。


そんな用事の最後に、スーパーマーケットで買い物かごに全てを入れ終えて中々進まないレジに並んでいる途中で、何故かふと思い立ちました。


「今日は本当に上手くいかない日だったし、多分今の自分はひどい顔をしているんだろうな。でも、もしほんの少しのスイッチの切り替えで何とか今日の日を良い1日に出来ないかな。」


そう思って、ある考えが浮かびました。


「このレジで自分の番が来たら、目の前にいるレジ係の女性を家族だと思ってみよう。」


何となく思うのではなく、本当にその赤の他人である女性が自分の家族や親戚だとしたらどんな顔をするだろう、どんな声を掛けるだろう、と想像してみました。


そうしたら、自然と自分の顔の表情が緩んだのが解り、見えないんだけれども確実に温かいエネルギーが彼女に向けて発せられたのを感じました。それまでやれやれ、って思うくらいの仏頂面だったのに、です。

そしてレジで商品が通りお金のやり取りをする間、夕方の忙しない時間が嘘のように温かいものになりました。


もの凄く親近感が沸いたのです。だって家族だから。(笑)


レジ係の方に温かい「ありがとうございます」を言った後、優しい笑顔と共に返ってきた「ありがとうございます。またお越し下さい」も実に温かい声で心がこもっていました。普段だったら聞き流しているような台詞です。


私の中では、この一連のやりとりの中で学ぶべきものが沢山ありました。取り繕いでは無く、心から思う事。そして相手では無く自分次第でほつれた流れを修復できるという事。


嘘みたいな話だけど、

「あ、溶けた。」


と思いました。何か氷のようなものに心が支配されていたようです。後ろから見たら肩もガチガチだった筈です。その氷を、溶かす方法を得た。そんな出来事でした。


身体も冷えるとロクな事が無いのと同じように、出来るだけ温かい場の中に身を置いていたいな、と思いました。そして出来るだけ場の空気を楽しくしていたい。自分の為だけじゃつまらないので、出来れば誰かと。


他人であっても、友人であっても、家族であってもそこに意志があれば繋がれる。私はそう、信じています。



happy for happy,

tears for tears,

joy for joy,

Om